恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~
それだけ言うと、あたしは足早に自宅を後にした。
“別に、付き合ってるとかって関係じゃないし……でも、もしかしたら今日からアイツがあたしのボーイフレンドになっちゃうのかもしれない。だって今日はあたしにとってトクベツでスペシャルな1日だから……”
家を出てから、だいたい20分後――――
「ハァ、ハァ、ハァ……」
あたしが息をはずませて中学に到着したとき、もうすでに校門は開いていたけど登校する生徒の姿は一人も見えなかった。
「やりぃ! 一番乗りっ!」
小さく右手でガッツポーズをすると、あたしはその手をスカートのポケットにつっこんで、中からカラフルな数本のししゅう糸を編んで作った短い紐状の物体を取り出した。
ミサンガ♪
もうすぐサッカーの試合があるアイツのために……そして今日が誕生日のアイツのために、あたしが勉強そっちのけで毎日夜中までかかって作った誕生日プレゼント。
もし今日、このミサンガをアイツに渡すことができたら、あたしとアイツの関係は大きく一歩前進すると思う。ゼッタイに。
“別に、付き合ってるとかって関係じゃないし……でも、もしかしたら今日からアイツがあたしのボーイフレンドになっちゃうのかもしれない。だって今日はあたしにとってトクベツでスペシャルな1日だから……”
家を出てから、だいたい20分後――――
「ハァ、ハァ、ハァ……」
あたしが息をはずませて中学に到着したとき、もうすでに校門は開いていたけど登校する生徒の姿は一人も見えなかった。
「やりぃ! 一番乗りっ!」
小さく右手でガッツポーズをすると、あたしはその手をスカートのポケットにつっこんで、中からカラフルな数本のししゅう糸を編んで作った短い紐状の物体を取り出した。
ミサンガ♪
もうすぐサッカーの試合があるアイツのために……そして今日が誕生日のアイツのために、あたしが勉強そっちのけで毎日夜中までかかって作った誕生日プレゼント。
もし今日、このミサンガをアイツに渡すことができたら、あたしとアイツの関係は大きく一歩前進すると思う。ゼッタイに。