恋景色 ~真っ赤な嘘と林檎と誕生日~
でも念のため、ハンカチを取ろうと、スカートのポケットに手を突っ込んだ。


「ア……」

ポケットの中で、あたしはハンカチじゃないものをつかんだ。


「そうだ、忘れるところだった」

「え?」

「あの、コレ……」

あたしはポケットの中からミサンガを取り出して彼に差し出した。

「ひょっとして誕生日プレゼント…?」

あたしは、恥ずかしくて何も言えなくて……だから黙って、ただうなづいた。

なんだかほっぺたといわず、顔全体が沸騰してるみたいに熱くなってる。

たぶん今、あたしの顔は真っ赤なんじゃないかと思う。

「あ、ありがとう」

そして受け取ってくれた七森くんの顔も真っ赤だった。

「でも、なんで…?」

「え?」

「なんで俺の誕生日なんか知ってんの?」
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