【続】私は彼氏がキライです!?



岡島さんはその後も、ホントに失恋したの!?ってくらい、陽気に飲んで笑ってた。



大人の男の人は、泣きたくても泣けないの?



悲しくても、ムリして笑うの?



いろんな恋の形があると思う。



岡島さんと彼女さんの恋は、私には分からないけれど、ふたりにしか存在しない歴史があったはず。



辛くないはずがない。



きっと別れを切り出した彼女の方だって。



「岡島さん・・・完全に手放す前に、後悔しないように足掻いてみて下さいよ」



アツの言葉に苦笑いをこぼすと、岡島さんは残りのビールを一気に煽ってグシャリと缶を握りつぶした。



「今日は迷惑かけて悪かったな。俺、本当に悔しかったのは、振られたことじゃなくて、引き止めたいって気持ちが自分の中に存在しなかったことなんだ」



初めて泣いてしまいそうな顔を見せた岡島さん。



「アイツもきっとそんな俺の気持ちに気付いていたのかもしれない。ちゃんと好きだったはずなのに、いつのまにかそれが恋人としてじゃなく、親友みたいな気持ちに変化していって・・・最後の言葉をアイツに言わせてしまった」



アツも私も、なにも言葉を発することは出来なかった。




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