【続】私は彼氏がキライです!?



まだ温かい車内。



明日美ちゃんとアツはどんな会話をしたんだろう?



「どこ行くの?」



「適当」



車を発進させるアツの姿にトキメク私。



明日美ちゃんもドキドキしちゃったかな?



「お前・・・もしかして明日美のこと気にしてたりする?」



「へっ?」



アツってばエスパー?それとも私が分かりやすいだけ?



おばちゃんたちにも気付かれたかな?



「明日美の初恋は俺なんだって」



「え゛っ!?」



やっぱり??やっぱりそうなの??



そんな話をしたんだ・・・。



やっぱりふたりで行かせるんじゃなかった。



常識のない子だって思われても、後片付けなんてほっぽりだして、アツと一緒に行けば良かった。



暗くなる気持ち。



なんでアツそんな話、私にするのよ?喜ぶわけないじゃん。



だけど、内緒にされている方がもっと嫌。



「俺の初恋は・・・お前。あっ前にも言ったことあるっけ?」



悲しい気持ちと嬉しい気持ちが一緒になって私の胸の中で渦巻く。



「アツ・・・明日美ちゃんのこと、好きになっちゃ嫌だよ?」



泣きそうになる私の頭を左手でクシャッと撫でて、アツは笑った。



その横顔は、全然後ろめたいことなんてないんだって私に教えてくれる。




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