【続】私は彼氏がキライです!?



その日は、お父さんだけが病院に残って、私とお兄ちゃんは家に戻った。



家に着いてから、切りっぱなしだった携帯の電源を入れると、すぐに3件のメールが受信された。



あっ・・・アツに連絡してないや。



お母さんが事故にあった事、ちゃんと説明しなきゃって思うのに、言葉にするのが怖くて電話をかけられない。



♪〜♪〜♪



握ったままの携帯が、手の中で着信を知らせる。



「・・・はい」



『大丈夫か、お前?』



なんで?



私、まだなにも言ってないよ?



『コナミ?』



「ん?」



『さっき、いっくんが電話くれたんだ』



「・・・そっか」



いつもだったら、アツの声を聞くと安心できるのに・・・今日はダメみたい。



辛いことがあると、アツに抱きしめてもらいたいって思うのに・・・今日はダメみたい。



今日は・・・お母さんじゃないと、ダメみたい。



「お母さん・・・お母さん・・・っ」



『コナミ・・・』



会いに来てくれると言ったアツの言葉を断って電話を切ると、私は空が明るくなるまでずっと窓の外をぼんやり眺めていた。




.
< 200 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop