【続】私は彼氏がキライです!?
翌朝、アツより先に起きてキッチンに立つ。
匂いを嗅ぎつけたのかアツがボサボサ頭でキッチンに顔を出した。
「おはよっ!!」
「お前、早えーな」
“おはよう”って言ったら“おはよう”でしょ?
朝ご飯を食べさせて、ネクタイを選んで結んで、髪もセットしてあげる。
ご機嫌な顔で私の思うようにさせてくれるアツを、“行かせたくない!!”な〜んて思っちゃう。
「行って来ます」
「行ってらっしゃい!!」
玄関でお見送りのキスをすると、本当に結婚しちゃったような気分。
早くそんな日が来るといいなぁ。
浮かれていると、ふっと目に止まった忘れ物。
「やばっ!!」
慌ててアツを追いかける。
「アツーっ忘れ物ーっ!!」
不思議そうな顔をしてこっちに戻ってくるアツに忘れ物を差し出す。
「はい、お弁当!!」
「マ〜ジで!?」
ぱぁ〜と明るい笑顔を見せるアツ。
「卵焼き入ってる?」
「もちろん!!」
「サンキュ!!」
何度も振り返りながら歩いて行くアツに手を振りながら叫んでみる。
「あなた〜!!早く帰って来てね〜!!」
キョロキョロ周りを見渡しながら、照れたように手を上げて応えてくれたアツに、見えなくなるまで両手を大きく振った。
鼻歌混じりで掃除と洗濯をしながら、おいしいご飯を作って帰りを待つよ。
大好きなあなたの帰りを。
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