【続】私は彼氏がキライです!?
洗面所に行くとすでに洋服を脱ぎはじめているアツの姿。
私も同じ様に服を脱いで、下着姿になったところで手が止まった。
今ではもう、すっかり直視出来てしまうアツの裸。
それどころか私は、こんな明るい所で、アツを目の前にして裸になろうとしている。
「どうした?」
「あ、別に・・・」
私の躊躇いに気づくことなく、アツはさっさとお風呂場に入って行った。
シャワーを頭から浴びるアツの背中に回って、お湯を止めた。
そのままシャンプーでゴシゴシとアツの頭を泡立てる。
気持ちよさそうに目を瞑って、されるがままになっているアツがなんだか可愛い。
「かゆいところはありませんかぁ〜?」
「首んとこ」
「ここ?」
「もうちょい右」
「ここ?」
「そこそこ」
「いいですかぁ?」
「おっけーで〜す」
お湯を出そうと手を伸ばした時、私の体が少しだけアツの背中に触れた。
「ん?」
何かに気づいてアツが振り返る。
そして私の姿を見たアツは、意味がわからない・・・まさにそんな顔をした。
「なにそれ?」
「なにが?」
とぼけたように首を傾げると、アツは遠慮も躊躇いもなく私の体に巻き付けたバスタオルを剥ぎ取った。
「キャーー!!」
狭いお風呂場に、私の色気のない悲鳴が響く。
「うるせぇな。めんどくせぇことすんなよ」
アツってば・・・女心を分かってない。
「もし、目の前にいるのが私じゃなくて、綺麗なお姉さんでもアツはそんな風に平然としていられるの?」
「はぁ?なんの話してんだよ?」
「答えて!」
ドキドキして、ムラムラきて、あわよくば・・・なんて気持ちが芽生えないとは限らない。
そしていつの日か、私を女として見てくれなくなってしまうのかもしれない。
「まず綺麗な巨乳のお姉さんとはこんな状況になんねぇよ」
あっ、勝手に付け加えやがった。
「例えばの話だよ!エッチな気分になっちゃうでしょ?冷静ではいられないよね?」
アツの浮気を心配しているわけじゃない。
ただ、アツに興味をもってもらえなくなってしまったらどうしようって・・・。
「お前、マリッジブルーかぁ?」
マリッジブルー?
そうなのかな?
結婚に対して迷いなんてないし、毎日確実に大きく育っていくこの気持ち。
「分かんない・・・。だけどアツはもう一生私としかエッチしちゃダメなんだよ?それって大丈夫なの?」
上手く言葉を見つけられない。