【続】私は彼氏がキライです!?



アツが私の髪を洗ってくれる。



アツの背中を私が洗う。



二人で湯船に浸かって同時に幸せのため息がこぼれ出る。



ちゃぷん、ちゃぷん。



お湯が揺れる。



「極楽だね~」



「ババくさ」



もうっ!!



「ねぇ、おじいちゃんとおばあちゃんになってもさ、たまには一緒にお風呂入ろうね」



「いいかもな」



目を閉じると、懲りもせずまた妄想の世界にトリップする。



甘い新婚生活。



そのうち子供が生まれて私とアツはお父さんとお母さんになって。



子供中心の生活で、今みたいに二人の時間は減ってしまうけれど、きっともっと幸せは増えている。



子供が大きくなって、寂しいねなんて話しながら「たまには一緒にお風呂にでも入る?」って私が誘ったらきっとアツはうんざりした顔をして「やめてくれ」なんて言うのかな?



そしたら私は今日の話をしよう。



アツはお腹が出て、私の胸はたれて。



お互い年取ったねなんて笑いながら、またお互いの髪を洗うんだ。



きっと、私の妄想じゃ追いつかないくらいのたくさんの歴史を重ねて、いろんな出来事があるんだろう。



それでもきっと愛してる。








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