【続】私は彼氏がキライです!?
今日、このホテルに来る前に、二人で婚姻届けを出しに行った。
私はもう成沢小南じゃない。
今日からは倉橋小南。
まだその実感は全くと言っていい程にないけれど、一生忘れられない大切な記念日。
私たちの関係を変えた3年前から、特別な日。
「・・・アツ?」
「え、あぁ」
扉の前に立ったままだったアツがゆっくり私に近づいてくる。
ふたりでいることなんて慣れているのに、すごく緊張してしまう。
私が選んだグレーのタキシードに身を包んだアツの姿。
今日はアツもプロにヘアセットをしてもらったようで、バッチリ花婿仕様。
すごく似合っていて、すごくカッコ良くてドキドキする。
だけど照れ臭いから、笑ってごまかした。
「あはっ!七五三みたい!」
うっせーよ!とか、いつもみたいな返事が返ってくると思ったのに・・・
「だよな、俺もそう思う」
ちょっと苦笑いをしながらアツは認めてしまった。
キョロキョロと目を泳がせて、真っ直ぐ私を見てくれない。
アツの為の姿なのに。
アツの為にキレイにしてもらったのに。
「嘘だよ?すごく似合ってるよ」
「うっせーよ」
え、いま??
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