【続】私は彼氏がキライです!?
ため息を吐いたアツが、近くにあった椅子を引いてドカリと座った。
「お前、なんなの?」
「え?なにが?」
何か怒らせるようなことした?
これから式が始まるっていうのに、まさかケンカとかになっちゃうわけ?
今日はそんな“私たちらしさ”はいらないって!!
「あ、アツお茶でも飲む?なんかね、いろいろ用意してくれてるの」
どうにかアツの機嫌を取ろうと立ち上がると、アツに腕を捕まれた。
「衣装汚れるだろが」
「・・・・・・」
やっぱり怒ってる?でもなんで・・・?
戸惑う私をよそに、アツはとうとう両手で顔を覆ってしまった。
「ちょっと、どうしたの?」
「ヤバイ・・・マジでニヤケる」
「えっ・・・?」
そしてせっかくセットしてもらった自分の髪をガシガシと乱した。
「あーっダメダメ!!」
慌ててその手を止め、アツの前に立ち、乱れた髪をどうにか整えると、座ったままのアツがそのまま私の腰に抱きついてきた。
「えっ?」
私の胸の下に顔を埋めるアツ。
「すげぇ似合ってる」
低い声が、お腹から全身に伝わる。
「コナミのくせに生意気」
「・・・アツ」
「世界一キレイ」
アツっぽくないセリフ。
嬉しいくせに信じられなくて、言葉が出てこない。
「笑ってやろうと思ったのに、俺いま本気で感動してる」
その言葉に私の方が感動しちゃうよ。
さっきの不機嫌な態度は照れ隠しだったの?
私はまだまだアツのことが分かってないみたい。
「アツのお嫁さんになる日だから、おめかししちゃった」
「はは、上出来じゃん」
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