【続】私は彼氏がキライです!?



結婚式と披露宴を終えて、ホテルの部屋に入ったのは午後6時を過ぎた頃。



今日ひとつひとつの場面を、しっかり覚えていたいと思っていたのに、正直式の記憶がすでに曖昧。



パイプオルガンが響く中、お父さんと並んで歩いたバージンロード。



左手と左足が一緒に出てロボットみたいな歩き方になったお父さんにつられて、私まで変な歩き方になっちゃった。



バージンロードの先には、緊張で顔を強ばらせたアツが待っていて。



お父さんとアツが、軽くお辞儀をして、私がアツの腕に移る予定が、ここでもお父さんが前に出すぎちゃって、アツと頭をゴチン。



まぁリハーサルの時からかなり怪しかったけど・・・やっぱり周りからクスクス笑われてしまった。



そんなコントのような入場のおかけで、少しだけ和らいだ緊張の中、神父さんが誓いの言葉を読み上げる。



自分の中のどんなスイッチが入ったのかは分からないけれど、心は冷静なのに溢れ出る涙が、いくつも頬を伝う感覚を不思議に思った。




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