【続】私は彼氏がキライです!?
「誓います」
シンと静まり返ったチャペルに、アツの低い声が響いた瞬間、私はもう涙を止める努力を捨てた。
誓約書に名前を書いて、指輪の交換。
その後の誓いのキスは恥ずかしいからって省略していたはずなのに、神父さんが段取りを間違えたのか、本番になっていきなり流れにつけ加えられていた。
えっ!?て戸惑ったのは一瞬で、リハーサルもなかったのに、アツはそっと私のベールを上げた。
緊張の混じった真剣な眼差し。
近づいてきた顔に静かに目を閉じた。
親や兄弟、友達や会社の人たち、たくさんの人に見守られて、私とアツは夫婦になった。
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