【続】私は彼氏がキライです!?



ムードのかけらもない始め方だけれど、私を抱くアツは今日も優しい。



一つにつながる瞬間、アツが言った。



「今日だけつけなくてもいい?」



「え?」



結婚はしても、子供はもう少し大人になってからにしようって話してたのに。



ちゃんと準備して迎えてあげようって。



「今日だけ。もしこの1回で子供が出来たら、それは神様からの俺たちへの贈り物だと思う」



「アツ?」



「出来なければ、いつか本当に準備ができる時までの楽しみが残る」



「アツ」



「今日だけは、コナミをそのまま抱きたい」



まっすぐで澄んだ綺麗な瞳。



偽りの欠片もない本当の愛情。



「アツ・・・私もそうしてほしい」



初めて、何の隔たりもないままアツを受け入れた。



体だけじゃなく、心まで感じる幸せな時間。



何が起きても怖れたり戸惑ったりしない。



これは私たちが望んで、二人で歩き出した最初の一歩だから。



二つの人生が一つに重なった夜だから。





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