【続】私は彼氏がキライです!?



「もうっ!ちゃんと話せ!!本当に怒るよ?」



アツの膝から下りて、近くにあった枕でアツの頭をバシバシ叩く。



私の手から簡単に枕を取り上げると、はぁーっと本日2度目の大きなため息が吐き出された。



結局、私たちは2年前からちっとも成長出来ていないのかも知れない。



秘密を話せず待ってくれと言うアツと、それを待ってあげられない私。



だけどね、ちゃんと分かってるの。



アツにやましい気持ちがないこと。



信じられるから分かるの。



だから私はこうやって気持ちをぶつけることができるの。



あの頃とは違う。



武器を無くした私がテーブルに顔を伏せて泣き真似をすると、頭の上に何かが置かれた。



顔を上げると、ポトリと落ちた小さな紙袋。



何だろう?



手を伸ばすとまたしてもヒョイと取り上げられた。



「1週間後にやるよ」



「何ソレ?」



さっきも言ってた1週間後。



1週間後って私の誕生日だよね?



「誕生日プレゼント?」



「さぁ〜?」



紙袋にはお店のロゴが入っている。



〈4℃〉



大きさからいってアクセサリーか何かかな?



あっ・・・



もしかして・・・



「・・・指輪?」



ずっと前にアツに話した事があるんだ。



『婚約指輪をくれるなら、4℃で買ってね〜』



何かの雑誌を見ていた時に冗談のつもりで言った言葉だった。



それにアツだって全然聞いてない感じだったのに・・・。



「今日、コレ買いに行ってたの?だから隠してたの?仕事だって嘘ついたの?」



うんうんと髪をクシャって乱しながら答えるアツに思いっきり抱きついた。



「あの人に一緒に選んでもらったの?」



アツが私の為にしてくれた事だって分かってすごく嬉しいけど、どうせなら誰かに頼むんじゃなくて、ふたりで一緒に選びたかったな。




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