幕末オオカミ
「いや、ああ……っ」
やはり痛みを感じないそれに力が抜け、変な声が出てしまう。
この不思議な感覚は何?
こんなの、知らない……っ。
あたしは震える手を叱咤して、沖田の肩をぽかぽかと殴った。
「はなしてよぉおお!!」
手と同じように、声まで震えてしょうがない。
見かねた斉藤先生が、こちらに声をかけた。
「おい、沖田、やめてやれ」
「さ、斉藤先生っ!!
もっと強引に引きはがしてくださいっ!!」
「あー、すまん。
ちょっと珍しい状態だったもので、つい傍観してしまった」
と言ってる間にも、沖田ははむはむとあたしの肌を食べ続ける。
それは今まで全くの未知だった甘い疼きを、あたしの体の中に産んでしまう。
お願いだから、もう離してぇぇぇぇぇぇ!!
「沖田ー。それ、妹だろ?
近親相姦はよくないぞー」
斉藤先生は、沖田の肩をぽんぽんと叩いた。
「妹……?」
沖田は再び、斉藤先生の声で正気に戻る。