幕末オオカミ
「まぁまぁ。
総司は昼間は本当に奥手だからなぁ。
勘弁してやろう」
近藤局長にそう言われれば、反論する者はいない。
ただ一人、土方副長だけは、おもちゃを取り上げられた子供のような顔をしていたけど。
見なかったことにしよう……。
「で、だ。
楓くんに、頼みたいことがある」
「は、はいっ、なんでしょう」
「きみに、総司の目付け役を頼みたい」
「……は?」
あたしが、沖田の目付け役?
何で?
つい昨日まで、逆の立場だったのに。
「一番隊夜勤の日は、昨日のようにこっそりついていって、総司が無茶をしないか見張ってほしいんだ」
「……えー……」