幕末オオカミ
「アンタが自分で、局長に『任せろ』と言ったんだ。
自分の言葉の責任くらい、自分でとったらどうだ」
「……!」
図星すぎる……!
反論する言葉を失ったあたしは、斉藤先生の袖を離した。
「はじめぇ、女の子に厳しすぎるでしょ」
「いいんです、藤堂先生。
斉藤先生のおっしゃる通りです」
藤堂先生は、口を尖らせて斉藤先生をにらんだ。
「……霊力が上がったら、次の段階を教えてやろう。
それまで、呼吸法と瞑想をしておけ」
「はい、先生」
ほら……。
斉藤先生は、意地悪で言ってるわけじゃない。
大奥のぬるま湯に浸かり過ぎてたあたしが悪いんだ。
これからは、一つの任務を任される大人として、責任を持ってやらなきゃ……。
ぐっとこぶしを握り締め、決意するあたしを見て、斉藤先生は微かに微笑んでくれた。
そんな気がした。