幕末オオカミ


それは、一体、どういう意味ですか……?



「俺が楓の一番の仲良しじゃなきゃ、イヤだってこと!
あとは自分で、よぉーく考えてごらん?」



そういうと、平助くんはふわりと身体を返し、蔵から出て行こうとする。



「まてっ、平助!お前、覚えてやがれっ!!」


「やーだよっ。じゃあ、またね~!」



口とは裏腹に、一歩も動けないあたしを置いて、平助くんはるんるんと跳ねて行ってしまった。


おいおいおいおいおい。


油断もすきもあったもんじゃない!!


本当に、女なら誰でもいいのかよ!!


新撰組なんて、もののけの集まりだっ!!



ん…………。


もののけ…………



「あーっ!!」



芹沢と新見の報告をするのを忘れてたっ!!


あたしは急いで、局長室に走って戻った。


もちろん、他のもののけたちに見つからないように。



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