幕末オオカミ
と、いうわけで。
あたしは『土方副長の親戚』という触れ込みで、八木邸でお手伝いとして、働く……という設定になったんだ。
姉さんかぶりをして、柱の上のほこりを払う。
「あー、袴に慣れちゃうと、女モノは動きにくいなあ……」
そう、袴なら足がぱかっと開けるから楽。
しかし女モノは不自由だ。
大奥にいた頃は、もっと重厚な装備だったから、それよりはましだけど。
そういえば、この格好をしたときの皆の反応はおかしかった。