幕末オオカミ
「うわはは~、養女にしたいなぁ、可愛いなぁ」
近藤局長はえくぼを浮かべてベタ褒め。
いや……完全に「親戚の子供の七五三姿を見たおじさん」の目ですけど……。
「なあ、トシ!これなら完璧だろう!」
「あっ?」
話しかけられた副長は、金縛りから冷めたような顔をして、ぱちぱちとまばたきした。
「あ、ああ、さすが山崎だ。
あのへっぽこくの一が、普通の小娘になった」
なんだそれ!
もうちょっと褒めろよー。
なんて……この副長に「気を使う」ことを望んだあたしがバカだったか。
しかし、例の三人は、もっと悪かった。
「楓!!」
「ぎゃわ!!」
はい、来ました、抱きつき攻撃。
今回は永倉先生でなく、平助くんが先頭だった。
「めっちゃ可愛い!ヤバイ!口吸っていい!?」
「いいわけないだろっ!!」
「平助、こっちにも見せろよー。
よしよし、帯がちゃんと締まってるか、確認してやろう」