幕末オオカミ
「わあ……」
その表は、隊士たちの日程が書かれていた。
その日は何番隊が出で、何番隊が非番、さらに朝番、昼番、夜番までわけて、詳しく、わかりやすく書かれていた。
「すごい!」
「何かあったらこれを見て、近くにいそうな幹部を探せとのことだ」
「心配してくれてるんだ……」
こんなの、手間がかかったろうに。
まだよくお話したことはないけど、山南先生、大好きだ……。
胸がほこほこと温まるのを感じる。
あたしは、一人じゃない。
「ん?」
その表の端に、小さな紙がのりでくっついていた。
そこには、山南先生の字で、
『兄君総司、君ヲ心配シテイル。
無事ニ任務ヲ果タシ、帰ラレヨ』
と、書かれてあった。
「……沖田?」
「何だよ」
「もしかして、これ、あんたが山南先生に頼んでくれたの?」
「あぁ!?」