幕末オオカミ


「な、な……っ!!」



新見が驚きの声を上げる。



「沖田、お前も……っ」


「勘違いすんじゃねえ。

総司のは、産まれつきだ。

お前達みたいな後天性のもののけとは格が違うんだよ」



金色の目に、新見の姿が映る。


牙をむき出しにし、ぐるるとうなる姿に、新見は絶句した。


そして……


がう、と吠えたかと思うと、突然新見にとびかかる!!



「ひ……っ!!」



沖田は新見を押さえつけ、その喉元に軽く牙を押し付ける。



「まだ食うなよ、総司!!」



土方副長の言葉で、沖田の牙は静止された。



「新見さん……このまま食われたくなきゃ、白状しちまえよ」



そう言う土方副長は、恐ろしいほど冷たい目をしていた。



「あ、うぁ……」


「キツネが狼に敵うわけないだろ?
さぁ…………」


「ぐ、うわぁぁぁっ!!」



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