幕末オオカミ
新見は、膝から崩れ落ち……
腹に脇差を突き立てたまま、畳に突っ伏した。
「死んだ……」
「しょうがねえな。
一応、切腹ってことにしとくか。
足の傷は……どうすっかな……」
土方副長は至極冷静に、そんな事を言う。
「……ぐるる……」
「あっ!!」
その横で、狼化した沖田と目があってしまった。
これは危ないっ!!
「副長、沖田を早く戻し……うわっ!!」
「がうぅうっ!!」
沖田は血の匂いがぷんぷんする床に、あたしを押し倒した。
そのまま、前回のように接吻しようと迫る。
あたしは両手で沖田の顎を、必死に押さえた。
「コラ、待てっ!!お座り!!」
「わう、ぐわうっ」
土方副長のように命令してみるが、相手は狼。犬じゃなかった。