幕末オオカミ


沖田はじっと、あたしを見つめる。


「あたしがあんたを、ずっと監視してやるよ。
どのみちもう、逃げられないんだから。

ね?大丈夫だよ。
絶対、殺させたりしない」


「楓……」


「ほら、今日だけ甘えていいよ?
ただし、必要以上のおさわりはナシで」


「ば、か……てめぇ、ふざけてんじゃねぇ」



そう言いながら、沖田はあたしに覆いかぶさった。


とはもちろん、ただ抱きしめた、ということだ。


今日は月が出ていないもの。




ねえ、沖田。


寂しかったよね。


不安だったんだよね。


うっかり、芹沢に自分の姿が重なっちゃったんだよね。




でも、大丈夫。


あたしが、あんたを、守ってあげるから。




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