幕末オオカミ


総司はぐうっと、喉をつまらせた。


たったそれだけで、相手に反論させられなくする……さすが鬼副長だ。


変なところで関心してしまった……



まぁ、そんなこんなで。



あたしは総司と斉藤先生の副長助勤室で寝ることになったんだけど……


はい。


今総司は、完全にあたしに背を向けて寝ています。



ちょっとはね、覚悟してたんだよ……?


部屋を変わって初めて、斉藤先生が夜勤の日なんか。


すっごいドキドキしてさぁ。


もしかして、あの接吻の続きが……なんて。


でも、総司は、あたしが寝るまで局長室に遊びにいって、戻ってこなかった。


それから、斉藤先生がいない日は、いつもそうだった。



「……ばーか」



一度失った自信は、なかなか戻らない。


むしろ、総司のせいで余計に踏み潰されるような気がする。




「あたしって、そんなに、魅力ないですかねぇ……」



蚊の鳴くような呟きは、いつも闇夜に吸い込まれていくのだった。










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