幕末オオカミ
「全員そろったか」
鬼副長は、幹部の顔を見渡した。
「なになに、今度はなんなの?」
平助くんがのん気に言い、山南先生が「静かに」と、それをたしなめた。
「話すぜ、近藤さん。
これは隊の存続に関わるからな」
「あ、あぁ……」
「幹部の皆、先に謝っておく。
俺と局長、それに総司はお前達に隠し事をしていた」
「土方さん、まさか……」
前置きして、土方副長は話し出した。
それを聞いて総司が身を乗り出す。
「あの、副長……あたしに説明させてください」
「小娘は黙ってろ」
「…………」
有無を言わせぬ圧力で、副長はあたしも総司も黙らせた。
「楓は、実は総司の妹じゃねぇ。
あるところから逃げ出してきた、元忍だ」
「えぇっ!?」
突然の報告に、幹部全員目を丸くする。
「あるところって?島原……とか?」
永倉先生が質問する。