幕末オオカミ
「………………江戸城、大奥」
ボソリと言った土方副長の声は、天井に吸い込まれ……
沈黙が、部屋中に落ちる。
「間違いないな、小娘」
「……はい」
静かな受け答え。
その先にあったのは……
「はぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁっ!?」
混乱、だった……。
「嘘だろっ!?」
「大奥って、何で、どうして!?」
「そそそそんな、まさか……」
「総司、てめぇは知ってやがったのかっ!!」
幹部全員、口々に驚きの言葉を発する。
「あーっうるせぇっ!!
その先の話ができねぇだろうがーっ!!」
土方副長の一括で、その場は仮におさまった。