幕末オオカミ


「んなわけあるか。

こいつは芹沢暗殺の真相も、総司の正体も知ってる。

上様の前でベラベラ喋られたら、たまったもんじゃねぇだろ。

平助、局中法度を暗唱してみろ」


「はいっ!?

ええと、

一、士道に背くまじき事

一、局を脱するを許さず

一、勝手に金策いたすべからず

一、勝手に訴訟取り扱うべからず

一、私の闘争を許さず」


「ようし。合格だ」



平助くんは、ほっと胸をなでおろした。


局中法度とは、芹沢がいなくなってから鬼副長が定めた、鬼のような隊規だ。


三つめなんか特に、芹沢のようにはなるなと言っている気がする。


これに背いたものは……容赦なく、切腹させられる。



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