幕末オオカミ
とりあえず、『陽炎がきたら返り討ち』で意見はまとまった。
というか、副長がなかば無理やりにまとめ、その場は解散した。
斉藤先生は納得いかないようで、局長室に残ると言った。
あたしはとぼとぼと、沖田と部屋に戻る。
こんなことなら、蔵で大人しくしてれば良かったなー。
隊士に顔ばれした以上、簡単に除隊もできないってことだよな……。
「……ばれちまったな」
「うん」
「はぁ……」
部屋に、気まずい雰囲気が流れる。
総司の『嫁にする』発言に、副長の『局中法度厳守しろ』発言。
どっちもありえないよ……。
それに、平助くんと総司があたしを取り合って斬り合いになるなんて。
そんなこと、ありえない。