幕末オオカミ
4.入隊準備
「とりあえず明日、幹部諸君に紹介するとしよう。
総司、非番なら身の周りの整理を手伝ってやれ」
近藤が言うと、沖田はしぶしぶうなずいた。
「寝起きはどこでさせますか」
「ううむ……そうだな……」
「ここでいいだろう。
予備の布団もあるし、中から施錠もできる」
土方が助言する。
「じゃあ、あとは任せた。
なにかあったら、沖田に頼め」
「ちょっ……土方さん!」
「俺たちは暇じゃないんだよ」
沖田に丸投げした土方は、近藤の背を押して蔵から出て行ってしまった。
「ちっ……」
沖田は忌々しげに舌打ちをする。
そして、その刃物の先のような目で、あたしを見た。
「お前……とにかく考え直せ」
「はいっ?」
「正式に入隊する前に、ここを出て行けと言っている」
沖田はそう吐き捨てる。