幕末オオカミ
それは……。
副長は、総司が絶対必要ってことだよね?
あいつ、めちゃめちゃ気にしてるんですけど。
いつか、副長に捨てられるんじゃないかって。
なんだよ。
二人とも不器用なだけで、両思いじゃん……。
「副長」
「あぁ?」
「総司に……言ってあげてください。
お前は隊に絶対必要なんだって。
半分狼だろうが、それは変わらないって」
「何で俺が、そんなこと言ってやらなきゃなんねぇんだよ」
副長は眉を寄せ、心底嫌そうな顔をした。
だんだんわかってきたぞ……。
こいつ、照れてるんだな。
総司にそっくり。
「あいつ、気にしてますから……」
「じゃあ、お前が言っておけ。
俺は有能な隊士は手放すつもりはないと」
「素直じゃないなぁ……」
「あぁ?小娘、やっぱり切腹するか?」
「嫌です」
「そうかよ。
じゃあ、さっさとここを片付けろ。
総司が来る前に」