幕末オオカミ
1.予兆
「土方さん、部屋割りを変えてください!!」
あのあと。
翌朝、総司は一番に副長室にあたしを同伴していった。
「あぁ……?」
いくらなんでも早すぎたんだろう。
まだ布団の中にいた副長は、鬼のような顔でこちらをにらんだ。
「てめぇら……嫌がらせか?
俺らはあれから、遺体を埋めに行って疲れてんだよ」
「わかってます。
でも俺も、一睡もできなかったんです」
「は?」
副長はのっそりと起き上がり、首や肩をポキポキ鳴らした。
「……お前らなあ。
眠れないほど屯所でヤりまくるなよ……」
「こらああああああっ!!」
何を言うんだ、この男はっ!!
他の人に聞かれたらどうするんだよっ!!
「違うのか?まとまったんじゃねぇのか?」
「違います!!いや、違わねぇけど……
だから、部屋を変えてくださいって言ってんだって!!」
総司まで真っ赤になって、敬語忘れるくらい慌ててる。