幕末オオカミ


だけど、なんだろう。


不思議と胸騒ぎがする。



「あ、ああ、竹取の他の話ならありまっせ。

あんた、うぶな顔して、こっちを探してまんのか?」



店主は何か思いついたような顔をして、他の本を持ってきた。



「これは?」



にやにやと笑った顔の店主に渡されたそれを、ぱらぱらと開いて……。



「!!」



思わず手から、投げてしまいそうになった。


それは竹取物語を基として、かぐや姫が求婚者達と次々に愛し合うという……


馬鹿げた春画本だった。


しかも春画本というからには、綺麗な錦絵がどどーんとどの頁も飾ってあるわけで……


かぐや姫の乳が、大きな乳が見えちゃったじゃないか!!


よく見ると、表紙には『寝乱れかぐや姫』などと書いてあった。







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