幕末オオカミ


しゅ、祝言っ!?


そ、そんな、祝言だなんて!



「それ名案だ、新八!

どうせ楓は身内もいねえし、こっから出てくこともできねえんだから、隊士全員でパーッと祝おうぜ!!」


「場所は島原……いや、祇園だな!!」



「わーい、酒が飲めるぞ~♪」と歌って踊る先生達を、平助くんも苦笑して見ていた。



「もうっ……」



恥ずかしすぎる、この人達。


そろそろ止めなきゃと思ったとき、低い声が部屋に響いた。



「やりませんよ、そんなの。
そもそも夫婦(めおと)になる気なんかありませんから」



冷たい声が響く。


しんと、静まり返った部屋。


原田先生も永倉先生も踊るのをやめ、一瞬凍った。





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