幕末オオカミ


最後の一線を越える前でよかった。



本能が、どこかで察知していたのかもしれない。




楓…………。



俺なんかの思い出を引きずる事は、ないから。




ただ、俺が死んだ時。




泣いてくれたら、それでいいから。




ああ。




ぶっさいくだろうなぁ、泣きはらしたお前の顔は。




けれど、何より愛しくて、



可愛い可愛い、大切なひと……。




お前だけは。



幸せにしてやりたかった。





ごめんな。





ごめん。




楓…………。





許してくれ……。







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