幕末オオカミ


「……定期的に、蔵に何かが運ばれている事は確かだ。
ただ、それが何かはまだわかってない」


「薪とか、炭じゃ……」


「荷物が運ばれるのは、いつも夜。
まっとうな商売道具なら、昼間運べばいいことだ」


「なるほど」



それは、確かに怪しい。



「で、どうやって潜入するんですか?
芹沢の時みたいにはいかないですよね?」


「そこなんだよ……」



土方副長は眉間にシワを寄せて、うなってしまった。



「……しょうがねぇよな、山崎」


「えぇ……」


「副長?山崎監察?」



うむ、と土方副長は何か決意したような表情をした。


そして、思い口を開く。



「……今回は、色仕掛けしかない」


「えっ、ええっ!?」





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