幕末オオカミ
「じゃあ、お前も約束しろ」
総司はあたしの手をにぎったまま言う。
「何?」
「……その任務がらみの仕事が片付いたら、本当に、俺のものになれよ」
……とは……?
もしかして……
「……お前がそうしろって言ったんだからな。
自分の発言の責任は取れよ。
俺のことが大好きなんだよな?文句はねぇよな?」
……あたしさっき……
勢いとはいえ、とんでもないことを、言ったような……。
総司が、意地の悪い顔で笑ってる。
「……うん、いいよ……」
でも、いいや。
総司なら。
総司が、明日が来るのが怖くなくなる、手助けになるなら。
なんだってするよ。
……ごめんね。
その時には、あたしはもう綺麗じゃないかもしれないけど……。
こくりとうなずくと。
総司は、あたしの手の甲に、ひとつ。
口付けと言葉を落とした。
「……ありがとう、楓……」