幕末オオカミ
ぶつん、と何かが切れるような音がしたような気がすると同時。
部屋に突然入ってきた眩しい光に、視界が一瞬奪われた。
「総司っ!!どうした!!無事か!?」
それは、土方さんの声だった。
しかしその姿は、涙でぼやけてしまって見えない。
「……土方さん……俺……」
「…………!!」
涙をぬぐうと、俺の腕の中を見て青ざめた土方さんの顔が、はっきりわかった。
「俺……俺が……」
「まだ、息がある。早く運べ」
「俺が、俺が、殺しちまった……
俺が、楓を……」
「うっせえな!!まだ息があるっつってんだろうが!!」
ばこん。
目の前に、星が飛んだ。
土方さんが、鞘に入ったままの脇差で、俺の頭を打ったからだ。