幕末オオカミ
「傷……どうだ?」
「あー、もう全然平気!」
見つめられて、頬の奥が熱くなる。
照れ隠しに笑うと、総司も微笑んだ。
しかし……
「ちょっと、見せてみろ」
と、総司があたしの襟に手をかけたものだから、さあ大変。
一気に心臓が跳ね上がって、高速で脈を打ちだした。
「や、やだっ」
「いいから」
「……っ……」
肩まで襦袢を下ろされ、恥ずかしさで思わず顔を背ける。
首筋には、もう決して消える事のない傷があった。
総司の視線が、そこに集中しているのを感じる。
「……ひでえな」
「そ?じ、自分じゃ見えなくて……」
「……本当に、ごめんな……」
切なげな懺悔が、耳元で聞こえた。