幕末オオカミ


「ん……っ」



うるさいあたしを、総司はまた唇で黙らせる。


「あー……前言撤回。
もう理性なんか、吹っ飛びそうだ」


その顔はだんだんと下に移動していき、首の傷跡に触れられ、再び身体が震えた。


……あたしは、変態なのかもしれない。


もっと、消えない跡をつけてほしいと、どこかで望んでいる。


その熱い唇で───。



「総司──」



好き。



大好き。



傷だらけにされたって、かまわない。


新しい痕が増えるたび、あたしたちの絆は深まっていくような気がするの。




ねえ、だから。



ずっとずっと、そばに置いてね。







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