幕末オオカミ
これから、あたしたちや新撰組にどんな未来が待っているかは、わからない。
時代の波はあたしたちを押し流すのか、置き去りにしていくのか……。
とにかく今は、まだ。
また今日も命があったことに、感謝する。
そんな、かけがえのない毎日を、愛しい人と、送っているんだ。
あなたと結ばれた翌朝に見た、真夏の空の、浅葱色。
あたしはそれを、生涯忘れることはないだろう。
「手ぇつなご、総司」
「あぁ?ったく、しょうがねえな」
総司はそう言いながらも、笑ってあたしの手を握った。
【END】