幕末オオカミ
「その身のこなしなら、すぐに勘を取り戻せるだろう」
近藤局長が満足そうに言った。
「さすが、お前の妹だな」
「え?あ、あぁ……」
藤堂先生に話しかけられた沖田は、ハッとした表情で答えた。
どうやらこいつも、あたしの速さを見くびっていたらしい。
「じゃあ、今日はこれで解散。
トシには話しておくから、楓くんのことはまだ内々にしておいてくれ。
斉藤くんと井上さんには、総司から紹介しておいてくれ」
「え、俺?……ですか?」
「生き物を拾った場合は、最後まで面倒見ること」
「生き物……」
「拾った、って……」
局長の冗談に、あたしと沖田は絶句。
捨て猫扱いですか?
面倒見ろって……あたしは子供かいっ。