幕末オオカミ


夕方……




キュッ。


さらしを適度に巻きなおし、黒い忍装束を着込む。


もちろん、山崎監察に言われた夜の巡察についていくためだ。



「沖田の野郎……やってやる!二回やってやる!」



あたしはギラリと光る苦無を仕込み、襟をこれでもかとしっかりあわせた。


結局昼間は、沖田にかすり傷一つ負わせることができなかった。


でもあきらめないぞ……闇夜に紛れたら、好機が増えるはず。


あたしの乳を見た代償は高いぞっ、沖田総司!!


ぜーったい、痛い目みせてやるからな!








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