幕末オオカミ
「はぁ……?」
言ってる意味がわかんないんだけど。
ここの人って、いつもそう。
何かを隠すように話すから、要点がさっぱりわからない。
そういえば、沖田の話も途中になっちゃった。
芹沢一派の顔をあたしに覚えさせて、一体何をさせようと言うのか……
「……もう時間だろう。行け」
「あっ、はい!」
そうだ、こうしちゃいられない。
沖田の野郎を、二回やってやらなきゃ(しつこい)
木の上に跳んで、姿を消したあたしの後で、副長の横に近藤局長が現れたのが見える。
局長……もしかして、あたしの初仕事を心配してくれたの?
やっぱり、いい人だ!
近藤局長だけは、信じられる気がするなぁ。
そう思ってホクホクしているのは、あたしだけだった……