幕末オオカミ
「本当にいいのかよ、近藤さん。あんな小娘を信用して」
「心配症だな、トシは。
あの子なら、きっと大丈夫。俺が見込んだ子だから。
きっと、総司の支えになってくれる」
「あの女嫌いのか?」
「トシ、お前何もわかっちゃいねぇな。
総司は女が嫌いなんじゃない。恐れているだけさ」
「近藤さん……」
「強気で引っ張ってくれる女子が、総司には必要だ」
……こんな会話の内容は、当然あたしは知らなかった。