幕末オオカミ


ガサ……。


すぐ後で、草を踏む音がした。


「……お?」


にぎり飯をほおばったまま、ゆっくりと後を振り向くと……。


「……お前、誰だ」


地の底から響くような、低い声がした。


そこには、着物に袴をはき、腰に二本の刀をぶら下げている浪人風の男がいた。


「ふご!!」


ヤバイ!!


残りのにぎり飯を口につめ、逃げようとするけど……。


「うぐっ!!」


なんと、ご飯がのどにつまるという事態に!!


い、息が……


でき、ない……。



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