幕末オオカミ



『……夜は、昼間見えなかったものが見えることがある』



『月夜にしか見えないものは、確かにある。
もし、信じられないものを見ても……
それをベラベラ他人に話すような事はするなよ。
それが寿命を縮める事になるからな』



もしかして……


土方副長が言ってたのは、このことだったの!?


沖田が芹沢を毛嫌いする理由も、もしかしたら……


そうだ、沖田……。


まだ小刻みに震える体を叱咤し、耳を澄ませる。



「どこにいるの、沖田……」



とにかく、一番隊と合流しよう。


だって、タヌキとキツネのもののけ……


怖い、怖すぎるよ!!


< 85 / 490 >

この作品をシェア

pagetop