幕末オオカミ
『……夜は、昼間見えなかったものが見えることがある』
『月夜にしか見えないものは、確かにある。
もし、信じられないものを見ても……
それをベラベラ他人に話すような事はするなよ。
それが寿命を縮める事になるからな』
もしかして……
土方副長が言ってたのは、このことだったの!?
沖田が芹沢を毛嫌いする理由も、もしかしたら……
そうだ、沖田……。
まだ小刻みに震える体を叱咤し、耳を澄ませる。
「どこにいるの、沖田……」
とにかく、一番隊と合流しよう。
だって、タヌキとキツネのもののけ……
怖い、怖すぎるよ!!