HANABI
第1章
夏の香り
「あっつーい!もう暑くて溶けちゃうって!」
「はははっ、溶けないってば。」
「電車来るの遅ーい!」
外に立ってるだけで、汗がにじむこの季節。
朝っぱらから、うるさいくらいにセミが鳴いてる。
今年も夏がやってきた。
「あぁ~早く夏休みになんないかな~海行きたいね!海!!」
「私は、ベタベタするから海嫌いだもん。」
「なんで~高校最後の夏だよ?行こうよ~」
「やだよ、一人で行けば~」
「もう!ほんと冷めてるなあ、実優は。若々しさがない!」
「はいはい。」