HANABI
冬坂さん
「また行くの?」
「うん、今日バイトないし。」
「今日こそは名前ぐらい聞きなよ?」
「無理!じゃあね。」
「あっ、ちょっと実優~!」
ぶつぶつ言ってる沙智をおいて、あたしは一人カフェに向かう。
あれから2週間ほどがたった。
この2週間で、沙智と2人で1回、あたし一人で2回、合計3回は来たな。
今日も沙智はバイトだから、あたし一人で来た。
あたしは決まってあの窓際の席に座る。
ここから外を眺めながら、ぼーっとコーヒーを飲むのが好き。
「失礼します、こちらがメニューになりますね~。」