HANABI



「すいません、ありがとうございます。」


「いえいえ。では、ごゆっくり。」


「あっ、あの‥」


「はい?」




とっさに呼びとめてしまった。






どうしよう‥



でも、これはもう、聞くしかない。



あたしは勇気をふりしぼって言った。






「あの、名前‥教えてもらえませんか?」


「えっ?俺の?」


「はい‥。」



しばらくの無言。






あぁ、嫌がられちゃったかな‥。



やっぱり聞かない方がよかったかも。





< 31 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop